2017-01-01から1年間の記事一覧

1990年以降の力士の死亡例をみる

2007年の時津風部屋暴行死事件で確実に言えるのは、遺族の強い意志と行動力がなければ「病死」として処理され発覚しなかっただろうということだ。さらに言えば、ことに昭和の時代であれば、遺体に酷い暴行跡をみても「仕方ない」と思うだけの家族もいたかも…

2007年時津風部屋少年暴行死事件にみる愛知県警の異常

2007年の時津風部屋少年暴行死事件をつらつら振り返ってみた。2007年6月26日、4月に時津風部屋に入ったばかりのたった17歳少年が、親方の指示の下に部屋で激しい暴行にさらされ死亡した事件だ。この事件の社会的インパクトは大きかった。 なにしろ、遺体に誰…

美術館チケット売り場行列の怪

大抵の場合、自分の行く美術展が空いているのか激込なのか、到着してみるまで分からない。私は激込みの美術展なんぞ慰謝料をもらっても勘弁なので、行列がみえたら速やかにその美術展は諦める。混んでいたらパスしたいので美術展の前売り券はあえて買わない。…

安藤忠雄の「光の教会」

新国立美術館の「安藤忠雄展」のなかでも目をひいたのは約7千万円の建設費をかけた「光の教会」の原寸大インスタレーションだ。差し込む光による十字架はとても印象的で美しい。非常に魅力的な教会建築である。光の教会の外観 しかしながら「光の教会」に関…

安藤忠雄の住宅

安藤忠雄氏の建築は、一見して「かっこいい」「美しい」と思わされる。視覚的に強烈なインパクトがある。地中美術館をはじめ、見た瞬間に感嘆の声がもれるほどかっこいい。忘れがたく記憶に残る建物だ。新国立美術館の「安藤忠雄展」で、安藤氏が住宅にこだ…

おいしい紅茶の覚書

時々、びっくりするくらいおいしい紅茶に行きあうことがある。 紅茶も蕎麦や日本茶のように「新茶が美味しい季節」があるらしい。 あの香りがぱあっと鼻腔に広がって抜けていく感じ。あれは多分、新茶ならではのものなのだろう。そして「どこそこの茶園のが…

よく獲たり

谷中といえば猫が有名だが、多分、少なからぬ谷中の猫たちのルーツはここではないかと思っている。旧朝倉文夫邸。現在の朝倉彫塑館。 http://www.taitocity.net/zaidan/asakura/日本を代表する彫刻家の1人、朝倉文夫氏のアトリエ兼住居である。 朝倉文夫氏は…

浅草寺仲見世の既得権益

小商いでもっとも重いコストは地代家賃の負担だろう。 東京は地代家賃が高い。いわんや常に大賑わいの浅草仲見世をや。と思っていたら、全然違った。浅草仲見世は、全部で89店舗が連なる東京を代表する観光地だ。平日でも多くの観光客で賑わう商売人垂涎の地…

既存ホテルが禁煙化するのは難しい

1996年開業の、とあるシティホテルに泊まった。もちろん当然に禁煙の部屋を指定して予約した。しかし、である。通された部屋が臭い。というか、6階のフロアに降り立った瞬間からフロア全体が臭い。「タバコの臭いそのもの」がするのではない。でも臭いのだ。…

韓国映画の傑作

「韓国映画にハズレなし」。 韓国映画が注目されるようになったのは、2001年の「猟奇的な彼女」あたりからと記憶している。正直、「猟奇的な彼女」は「それほどでも…」という印象だった。個人的にあまり好みの映画ではなかった。 それから韓国映画はノーマー…

住宅火災による死者を防ぐためには

東京消防庁の火災予防のポスターをつらつらみていたら、つっこみたくなった。 住宅火災による死者を防ぐためには・寝たばこは絶対にしないこと! ・ストーブの近くに燃えやすいものを置かないこと! ・こんろの火が袖口などに触れないように注意すること! …

2017年衆議院選挙における希望の党の記録

9月25日、突如、「希望の党」とやらが結成された2017年10月の衆議院選挙。この希望の党は、相当にトンデモであり、また「危険な政党」でもあった。 多分、そう長くは存続しない政党だろう。しかし、今回、多くの政治家が希望の党に「公認」された。その記録…

糸魚川大火の復興計画

糸魚川大火の復興計画が2017年8月に策定された。 http://www.city.itoigawa.lg.jp/item/20859.htm糸魚川大火、酒田の大火以来、40年ぶりの大火である。その復興計画はいかなものか、非常に興味深い。まず、糸魚川大火の概要である。【発生日時】2016年12月22…

糸魚川大火、手厚い被災者対応

2016年12月、酒田の大火以来、40年ぶりの大火が糸魚川で発生した。【発生日時】2016年12月22日(木曜日)10時20分頃 【焼損棟数】147棟(全焼 120棟 半焼 5棟 部分焼 22棟) 【被災者状況】145世帯260人 55事業所ある日突然、自分の住まいや思い出の品々が…

糸魚川大火の来し方

かつて、火災は「糸魚川名物」だったらしい。 糸魚川町へ嫁にやると、きりタンスの角が丸くなってしまう、といわれた。火災が多くて、その度に移動させるからである。また、そら火事というと、まず糸魚川の空を見る。近郷・近在のクセとされた。火災多発が注…

糸魚川大火あとに残った建物

2016年12月22日、147棟を焼損した糸魚川大火。いまどき大火がおこるとは思っていなかったので本当に驚いた。2017年9月現在、跡地はどうなっているか現地をみてきた。以下、火災直後の写真と引用文は、「糸魚川市大規模火災を踏まえた 今後の消防のあり方に関…

糸魚川駅の皮算用

糸魚川市の昔の資料をパラパラみていて、思わず「ん?」と目をむいた。 平成26年(2014年)をめどに開通が見込まれている北陸新幹線糸魚川駅設置にともなう駅周辺地域の整備構想によると、新幹線開通時には1日当たりの糸魚川駅利用者は約6,000人が見込まれ……

大糸線、一筆書きの運賃覚書

大糸線は、日本で指折りの乗って楽しい路線だ。起伏にとんで美しい。 姫川、高瀬川にそって、急峻な山の中を走る大糸線。工事の苦難、推して知るべし。 さらに言えば、「今もよく保全して定期運行してるなぁ」と感動する。ことに白眉は、糸魚川から南小谷のJ…

川端飢人地蔵尊

福岡博多の中州と言えば、日本有数の歓楽街だ。 そんな中州に、割と目立つ地蔵尊がある。 (写真出典:福岡市公式シティガイドhttps://yokanavi.com/spot/27150/)由来を読んでみる。 飢人地蔵尊由来飢人地蔵尊は上川端町と東中州の一角とをつなぐ水車橋畔に…

宇都宮の大通りの今昔

JR宇都宮駅を降り立つと、県庁や東武宇都宮駅方面に、大通りがまっすぐ伸びる。堂々たる6車線道路。植木がされた立派な中央分離帯もある。おおお。宇都宮といえば、空襲被害が大きかった都市のひとつだ。戦災復興都市だったことだし、戦災復興時に拡張したの…

宇都宮の県庁と道路と明治

宇都宮にある栃木県庁は、過去、2度も焼失している。一度目は1888年、2度目は1936年。宇都宮に最初の県庁が建てられたのは、1884年(明治17年)のことだ。郷土出版社の「目で見る 宇都宮の100年」をつらつら眺めると、なかなか興味深い。 強制的な寄付によ…

この襤褸をみよ

浅草の「アミューズミュージアム」はちょっとおもしろい。http://www.amusemuseum.com/boro/展示しているのは田中忠三郎コレクション。「江戸時代から何代にも渡り、青森の山村、農村、漁村で使われてきた“ぼろ”とよばれる衣服や布類」である。いわゆる襤褸…

三越のお見舞い

三越の入り口にこんな提示がしてある。 被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。すべての被災地の皆さまが平穏な日々を取り戻せますようお祈りいたしますとともに、 三越伊勢丹グループとして、一日も早い復興のために力を合わせてまいります。株…

「あいづっこ宣言」はかなりまずい

会津の地に降り立って、まず目に入るのが、「あいづっこ宣言」だ。市内、いたるところに掲げられている。 あいづっこ宣言一.人をいたわります 二.「ありがとう」「ごめんなさい」を言います 三.がまんをします 四.卑怯なふるまいをしません 五.会津を誇り年…

2017年昭文社の株主総会に行ってみた

2017年6月29日、昭文社の株主総会に行ってみた。かつて、「昭文社(の地図)なくしては外を歩けない」と思っていた。旅行先でも、日常の外出でも、大抵、どんな時も昭文社の地図帳とともにあった。しかし、いつの間にか、グーグルマップ愛用するようになり、…

昭文社にみる市販出版物売上高と返品率

近年、システムによるデータ管理体制は急速に整備され進化した。というわけで、例えば、出版物ならば、「どこで・いつ・何冊売れたか」、「今、どこに、何冊あるか」を即時に把握できるシステムが構築されているはずだ。多分。というわけで、普通に考えたら…

コンビニで着服

「最近は、横領、着服はかなり困難になってきた」(←それだけ業務フローや監査体制が洗練、整備された)と思っているが、コンビニという、ずいぶんと身近なところでの着服事例を発見。たまたまみつけたニュースリリース。https://www.c-store.co.jp/corp/new…

五島慶太の愛染明王

五島美術館。 http://www.gotoh-museum.or.jp/上野毛駅近くでアクセス良好。小さな美術館だが、とてもいいコレクションを持っている。そして、企画展も洗練されていて素敵だ。東京で好きな美術館の一つだ。五島美術館、創立したのは、言わずと知れた東急の強…

大阪科学技術センタービル火災

あまりに多くの死者や負傷者を出した大惨事でつとに有名な「千日デパートビル火災」。色々読んでると、つい思ってしまう。「プレイタウン(犠牲者はみなこのキャバレーにいた)の高田支配人(防火管理者)が有能で、適切な避難誘導をしていたら、こんな多数…

千日デパートビル火災

「千日デパート火災」とか呼ばれているが、正確には「千日雑居ビル火災」だ。ここは百貨店ではない。 1972年5月13日の火災である。 普通なら記憶の彼方にうもれそうに古い話なのに、いまだ有名な火災であり続けているのは、ひとえに、大阪ミナミの繁華街ど真…