三越のお見舞い

三越の入り口にこんな提示がしてある。


被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。

すべての被災地の皆さまが平穏な日々を取り戻せますようお祈りいたしますとともに、
三越伊勢丹グループとして、一日も早い復興のために力を合わせてまいります。

株式会社 三越伊勢丹 日本橋三越本店 本店長

多分、この提示の始まりは、東日本大震災だろう。
しかし、災害は次々起こる。

きっと経緯としては、

1.東日本大震災へのお見舞いを掲示してみた。
2.「災害は東日本大震災だけじゃない。なんで○○にお見舞いを表明しないんだ」という指摘が入った。
3.次々起こる災害を全部把握するの、無理。
4.「すべての災害に」お見舞い申し上げるということで決着。

ということかな、と想像する。

大規模で大きく報道される災害もあるが、あまり報道されない災害もある。
小売業の企業が災害を即時に把握して掲示するのは無理だ。
大体、いちいち災害名を挙げてるときりがないし、どんなに注意しても「なぜあの災害はとりあげない」というクレームが生じるだろう。

大体、「お見舞い申し上げる」災害とする基準を設けるのも大変だ。

あと、「お見舞い申し上げる」災害の起こった地域の問題もある。
三越伊勢丹といえば、アジア、欧米にも何店舗も出店している。
それらの地域の災害にも「お見舞い申し上げる」必要がある。

しかし、現実問題、そんなの無理だ。

「すべての被災地の皆さま」にならざるをえない経緯と事情がリアルに想像がついて、ちょっと苦笑してしまう。