七ツ森かりんとう

「七ツ森かりんとう」がめっぽう美味しい。
いろいろな味のバリエーションがあるが「旨しお味」が白眉。

包装にはこう印刷されている。

昭和の初め。あの頃のままの 懐かしい味がする

ほんまかいな。昭和の時代にこんな軽くて後味がよくて美味しいかりんとうを食べた記憶はないのだが。
もっとも、昭和の初めといったら戦前。戦前の一般的なかりんとうはこうだったのだろうか。多分違う気がする。


製造元の伊藤かりんとう店は、宮城県の塩釜付近にある。
住所が宮城県黒川郡富谷町ひより台2丁目17−5となっているから相当な田舎だ。

昔からこの地で変わらぬ製法で作り続けてきたのだろうから、彼の地ではこれが「かりんとうの懐かしい味」かもしれないが、世の中の大多数の人々にとっては「初めての味」が正しいのではないか。
実際、私はかりんとうというものは、七ツ森かりんとうに出会うまで、特に美味しいとは思ったことはない。


こういう地方に密かに息づいてきた逸品が東京で入手できるのは幸運だ。

密封包装の技術がない昭和初期はすぐ湿気たであろうし、輸送にはコストも日数もかかったから、東京のような離れた地で売ることは難しかっただろう。
包装、輸送技術と道路など交通インフラの整備で美味しいものの伝播が可能となる。

しかし現状、東京での販売箇所は1つにとどまる。

「宮城ふるさとプラザ」
http://cocomiyagi.jp/goods/kashi/goods-141.html

池袋はちょっと行くのが面倒だが。

【2014年3月追記】
今はもう宮城ふるさとプラザでは七ツ森かりんとうは売られていない。
プラザで伺ったところ、なんと店主の方が亡くなられ伊藤かりんとう店は閉店されたそうだ。店主の方は若くして亡くなられたとのこと、心からお悔やみ申し上げます。

それにしても惜しい。惜しすぎる。
どなたか七ツ森かりんとうと同じ味を再現されているお店をご存じの方がいらっしゃいましたら是非教えてください。
というか、七ツ森かりんとうがこの世から消滅するなんて。そんな…。どなたか引き継がないともったいなさ過ぎる。