地元のケーキ屋の生きる道

先日、「セブン・イレブンのモンブランがマジで美味しい。しかも安い(250円)。個人経営のケーキ屋はこうしたコンビニに太刀打ちできないだろう」と書いた。

が、少なくとも今現在に限れば「今しばらくはやはりそれなりに生き残れるかな」と思う。

確かに、個人経営の店がケーキのクオリティ(味)と価格の総合点で大手コンビニに勝つことはできないだろう。ことに安売り競争はスケールメリットという強みがないのだから絶対負ける。

ただし、「いつ、どのようにケーキは必要とされているのか」と考えれば話は別だ。

今現在、ケーキの需要は多分、以下の2つが主流だと思う。

・よそのお宅を訪ねる際の手土産
・家族の誕生日等、イベントのお祝い

手土産や誕生日のお祝いにコンビニケーキはないだろう。
手土産でコンビニケーキは、もらった方も面喰う。誕生日ケーキとしても、盛り上がりに欠ける。華やかな包装とかもないし。

手土産には、例えそれほど美味しくなくて割高でも、華やかな包装のケーキ店のケーキを持っていくだろう。
勿論、味について許容できる限度というものはある。私は「値段は高くても味はそこそこ」なら買うが、「値段はそこそこだが明らかに不味い」ケーキは買わない。そんなものは淘汰されてしまってよい。

しかし「値段はちょいと高いが、昔からファンが多くそれなりに美味しい」地元ブランドなら、手土産として適切なチョイスだろう。

また、地元に根付いた個人商店なら、誕生日ケーキなども予約時や普段のヒアリングと観察から、顔がみえるあたたかさやサプライズをケーキや包装に込めることが可能だろう。これはコンビニにはできないことだ。

コンビニの提供しているケーキ類は、「日常、自分のために買うケーキ」だ。「今日、ちょっとケーキが食べたい」という自分と家族向け買いのニーズはコンビニにとられたとしても、まだまだいける。

他にも、地方で土地に余裕があるなら、喫茶を併設して地域のサロン的役割を果たすことも考えられる。

ニーズは必ずしも味と値段のみにあらず。
個人商店だからこそ果たせる役割とは何か?

「政治力を駆使した公共機関等への自店のケーキの押し売り」とかではなく、多くの人がその存在意義に納得できる存在となることで生き残る矜持に期待する。

もちろん、「我が店の歴史的役割は終わった」として店を畳んで転職するのもありだ。

残るなら、やっぱり「そして新たなステージへ」という発展を遂げる方向でないと。