保険金実業家、なのか

羽柴秀吉(本名・三上誠三)氏といえば全国の選挙立候補が趣味の、そのトンデモ公約や言動には言葉も失くすか笑うしかない怪人物である。お笑いネタと認識していたが2007年の夕張市長選挙では2988票を得票。あと343票で当選という悪夢のような「快挙」をなしとげ、夕張市民の知性と良識に対する疑念と懸念を全国民の心に刻んだ。

さて、くだんの羽柴誠三秀吉氏、羽柴観光小田川温泉株式会社などを経営する「実業家」らしい。

地元では経営している温泉等の施設が古びてくると、無人の時に原因不明の火災が起き保険で再建される事が知られており、その疑惑は週刊文春で報じられた。

旅館「秀吉のやかた」
青森県五所川原市(旧北津軽郡金木町)にある国会議事堂の形をした旅館である。小田川温泉として営業している。
以前は平等院鳳凰堂の形をしていたが失火により2000年3月に全焼。立て直した際に国会議事堂形になるも、2010年4月26日にまたも全焼した。
羽柴誠三秀吉Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%BE%BD%E6%9F%B4%E8%AA%A0%E4%B8%89%E7%A7%80%E5%90%89

保険金実業家、なのか。
報道されているのは2000年と2010年の2回の旅館の全焼のみのようだが、羽柴氏の保険金請求履歴はこれだけだろうか。
羽柴氏または氏の親族(配偶者など)を契約者・保険金受取人とした保険契約の請求履歴および保険契約履歴が是非知りたいところである。

企業は社会の公器。とりわけ保険会社はその事業の性格から、社会の公器である意識を強く持たないと、瞬く間に「反社会的存在」に堕してしまう。

契約者から集められた保険料は、保険金として保険事故に遭遇した者に配分される。
当然、その配分(保険金支払い)は、契約者および社会の納得をえられるものでなければならない。その保険事故発生(リスク)が不合理に、故意を疑われるような高い確率で起こっていたりする物件や契約者の保険契約は、契約者間の衡平性の観点からも、モラル・ハザードの観点からも引き受けるべきではない。

ひらたく言えば、「私の支払った保険料が、ミサイル基地や羽柴秀吉氏の選挙戦資金になっているとしたら大変遺憾であり、そんなことのために保険料を払うつもりはない。」というのが社会の良識というものではないかということだ。
「保険が1番もうかりまっせ」などと不逞の輩に言わせるような保険事業を営んではならない。もしくは不適正な保険事業により、保険金ビジネスマンなどを生み出してはならない。

羽柴氏に対する保険金の支払履歴と保険契約の引受履歴、もちろん、どの保険会社がという部分も含めて是非開示されて欲しいものだ。適正に保険業が営まれていたか、ぜひ検証してみたいではないか。

羽柴氏の派手な言動に目をうばわれがちだが、その事業活動を不適正に支える保険会社があったとしたら、そちらの方がむしろ大問題だ。

「保険引受と保険金支払いは適正に」
それが環境保護運動メセナなどよりも先に、徹底してやらねばならぬ保険会社の社会的責任というやつだ。