2018年の自動車盗難認知件数は1万件を下回る
驚きのニュースである。
2003年のピーク時には64,223件だった自動車盗難認知件数が、なんと。
2018年、ついに1万件を割って、8,623件になった。
2019年2月7日「59年ぶり、自動車盗難認知件数が1万件を下回る
~日本損害保険協会が事務局を務める官民合同PTの取組みが成果をあげる~」日本損害保険協会
http://www.sonpo.or.jp/news/release/2019/1902_01.html
凄い。マジで凄い。もっと大々的に、センセーショナルに報道していいニュースだと思う。
もっとも、「(1万件を下回ったのは)1959年以来59年ぶり」という損保協会の比較表現は、あまり適切ではないと思う。1959年では今とは時代が違い過ぎる。1959年では日本国内の自動車台数が少なすぎて今とは比較対象にならない。
組織犯罪で自動車盗難が急増する以前の自動車盗難認知件数をみると3万件台で推移している。
それが2008年には3万件を割り、それから10年を経てついに1万件を下回った。
2001年に設置された「自動車盗難等の防止に関する官民合同プロジェクトチーム」の瞠目すべき成果である。
「自動車盗難等の防止に関する官民合同プロジェクトチーム」ホームページ
http://www.car-tounan-boushi.jp/
多分、3万件台で推移していたころと今では、窃盗犯のプロフィールもかなり違っているだろう。
今日、自動車窃盗の難易度は格段に高くなっている。今は素人が出来心で盗むようなケースはほとんどないのではないか。
興味深いのは、自動車盗難が特定の県に集中していることだ。
(図出典:2019年3月時点「自動車盗難の現状」自動車盗難等の防止に関する官民合同プロジェクトチーム)
http://www.car-tounan-boushi.jp/condition.html
2017年、2018年と、茨城県が断トツのトップである。大阪府もたいがいだが、人口および自動車保有台数を考慮すると茨城県がとびぬけている。
東京都も北海道も福岡県もすっとばしてワースト10に入ってきているのみならず、ワースト1位。
2018年においては全国8628件のうち茨城県1491件。実に17%の自動車盗難が茨城県で発生している。
茨城県警としては、これはかなり恥ずかしい数字だと思う。
多分、茨城県に窃盗組織の拠点があるのだろう。
ひょっとしたら、茨城県警と犯罪組織の癒着もあったりして。などと勘ぐってしまう。
かつての北海道警における「稲葉警部とその周辺」のような関係が、今でも茨城県警の中にあったりしなければよいのだが。
不思議なのは、自動車盗難多発地帯の割に茨城県の車両保険加入率は全国平均より低いことだ。
茨城県の車両保険加入率は2017年3月末時点で39.8%にすぎない。
「自動車保険の概況2017年度版
第19表 任意自動車保険 都道府県別普及率表 <2017年3月末>」損害保険料率算出機構
https://www.giroj.or.jp/publication/outline_j/
茨城県は自動車盗難リスクがとびぬけて高いということを損害保険会社は積極的に宣伝に使っていないのだろう。
自動車盗難の高リスク地域では車両保険を積極的にプッシュせずに、さりげなく加入率を下げているのかもしれない。利益を考える企業の行動として当然といえば当然だ。
でも、茨城県警はむしろ、県民に「自動車盗難、ぶっちぎりの多発地帯」という事実を大々的に周知すべきところだと思う。
茨城県民は、茨城県が自動車盗難高リスク地域だということを当たり前に知っているのだろうか。