火事における「重大な過失」って何だろう

さて。「故意または重大な過失」がある場合、火災保険の保険金は支払われない。
そりゃそうだ。

しかし「重大な過失」って何だろう。

事例1)ライターでゴキブリ退治をしようとしたところ、段ボールに火が燃え移ってマンション1室全焼(2014年6月 埼玉)

事例2)火炎放射器?で庭の雑草を焼いていて、住居に燃え移り全焼(1998年頃?出典:「板谷バカ三代」)

普通に「重過失じゃね?」と思ってしまう。
でも「普通の人間」の基準をどう持つかは結構難しい。「板谷バカ三代」のケンちゃんのような「愛すべきアホの子」は「普通」ではないのか。
あと、人間、一つの目標、例えばゴキブリ退治とかに夢中になるとリスクが見えなくなることもよくある話。
というわけで多分、大抵のことは「まぁ、人間、バカやっちゃうよね」と許される範囲なのだろう。

これらのケース、火災保険は支払われたのだろうか。多分、支払われた、と思っている。

ここで、よくある失火のケースをみてみよう。

よくある失火)寝たばこ

これ、タバコを吸う人なら誰でも可能性があるだろう。ベットで一服する人だっているだろうし、ソファーで一服しているうちにうとうと寝入ってしまうとか「私がタバコを吸うなら絶対やるだろうな」と思う。

よくある失火)天ぷら鍋を火にかけたまま放置

これも「天ぷら鍋の温度が上昇するまでのつもりで他のことをし始め、ついうっかり天ぷら鍋を忘れてしまう」なんて本当にありがちだ。

しかし、寝たばこも天ぷら火災も、重過失とされた判例がある。

多分、「何度目の火災や」とか「状況的に、今、火事が起こるなんて、ほんま都合がよすぎますなぁ」とか、限りなく故意が疑われるケースだろう。

失火について、本当に「善意のアホの子の過失」なのか、「アホの子を装った故意」なのか。現実的には見分けは非常に困難だろう。

せめてものモラルリスク対策として思いつくのはこれくらいだろうか。

・多重請求者の保険契約は引き受けない(業界における情報共有が必要)。
・事業者(高額保険契約者)については個人より厳格に対応する。