2016参議院選挙。公明党の勝ちっぷり

2016年7月10日 参議院選挙。「公明党の選挙強さ」が印象的だった。

もしも「日本で最も選挙活動に熱心な団体はどこ?」という自由回答アンケートをしたら、間違いなく「創価学会」がぶっちぎりの1位になるだろう。

いうまでもなく「創価学会といえば公明党」。これ、「日本の常識」だ。

選挙の時期になると親しくもない知人からの「選挙のお願い」の電話があるとか、訪ねてこられるとか、よく聞く話だ。
あと、選挙の日、近隣住民に対して、車を出して選挙の送迎をしてあげまくるとか。明らかに「他党に入れるだろうな」という人も快く送迎してたりして。傍で見ていても「どんだけ選挙に熱心なんだ」と呆気にとられる。

でも、きっと、勝ち負けがはっきり出る「選挙って楽しい」のだろう。
さて、そんな彼らの熱意と行動の成果やいかに。

まず選挙区。
なんと候補者全員当選。議席としては7議席に過ぎないが、でも。

そして「どこで公明党は勝てるのか」。これが非常にあからさまなのだ。

東京(定数6) 770,535票(3位)
大阪(定数4) 679,378票(3位)
埼玉(定数3) 642,597票(3位)
神奈川(定数4) 629,582票(2位)
愛知(定数4) 531,488票(3位)
兵庫(定数3) 542,090票(2位)
福岡(定数3) 467,752票(3位)

1位当選は1人もいない。
公明党が勝てる選挙区とは。

1.定数が3名以上であること(1人区で勝つことはできない)
2.都市部であること

創価学会は「新たに農村から流入してきた都市住民のための昭和の新興宗教」だそうなので、「都市部で強い」というのはあるのだろう。

ちなみに3人区で公明党議席をとってない(立候補もしていない)のは、北海道と千葉である。


そして比例区

党としての得票数は第3位だ。得票数は共産党に近い。

第1位:自民党 20,114,788票
第2位:民進党 11,750,965票
第3位:公明党 7,572,960票
第4位:共産党 6,016,195票
第5位:おおさか維新 5,153,584票
第6位:社民党 1,536,238票


比例区は党名か党所属の候補者名のどちらかを書いて投票する。興味深くも驚くのは、候補者名の得票数だ。

1位:長沢 広明(党参院副幹事長)942,266票
2位:秋野 公造(元環境政務官) 612,066票
3位:横山 信一(元農水政務官) 606,889票
4位:熊野 正士(医師) 605,225票
5位:谷合 正明(党政調副会長) 478,175票
6位:浜田 昌良(元復興副大臣) 388,473票
7位:宮崎 勝(公明新聞局長)18,571票

ポイントは2つ。

その1)あからさまな票割。
党として「当選させるぞ」という候補者は浜田氏まで。よって、公明党としては「当選を意図した候補は全員当選させた」ことになる。
最下位当選の宮崎氏、18,571票て。

その2)圧倒的候補者名投票ゲット力。

各党1位の得票をみてみよう。
自民党
徳茂 雅之(全特相談役)521,060票
民進党
小林 正夫(電力総連顧問)270,285票
共産党
市田 忠義(党副委員長)77,348票
おおさか維新の会
片山 虎之助(元総務相)194,902票
社民党
福島 瑞穂(副党首)254,956票

与党自民党すら大きく上回る圧倒的候補者名得票ゲット力。
党としての得票に大差のない共産党との個人名での得票の差の大きさ。

「別に問題は議席数だし」と言われれば、そうなんだが「党名」を書かせるより「候補者名」を書かせる方が遥かに難易度が高い。
しかも「誰でも知ってる知名度の高い候補者」などいないのに。

この参院選公明党は、事実上、地方選、比例区ともに完全勝利。プラス1議席

ううむ、公明党すごいぜ。

さて、国会での仕事ぶりはここでチェックさせていただこう。

国会会議録検索システム
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