東京23区のレストラン禁煙状況を比較する

食べログがおもしろい。
食べログといえば、基本的に、利用者が任意でレストラン情報を編集するスタイルをとっている。
しかし、その捕捉力たるや。「こんな目立たないところにある店まで登録されてるの?」とか、「まだ開店したばかりなのにもう食べログに登録されてる!」とか、驚かされることが多い。体感的には、日本の98%以上の飲食店を網羅している気がする。
閉店や移転のアップデート力も高い。

もっとも、登録されている情報の正確さは保証されていない。間違った情報登録もありうるし、情報のアップデートがされていない場合もある。実際、食べログに登録されている営業時間や定休日が間違っていたために無駄足を踏んでしまったことが何度かある。でも、それでも食べログほど便利なレストラン検索ツールはない。

さて。日本のレストラン情報が集積されまくっている食べログであるが、私が注目するのは「禁煙」状況だ。

「完全禁煙」「分煙」「全面喫煙可」の3つの登録があるが、これが編集する人によって定義が異なる。

例えば、「店内完全禁煙。ただし、テラス席は喫煙可」の場合、「完全禁煙」で登録する人もいれば、「分煙」で登録する人もいる。
食べログが登録指針を出していないので、どちらが正しいというわけではないが、個人的には、この場合は「分煙」かな、と思っている。
まぁともかくも「禁煙」で検索できるのはありがたい。
ただし、ここ数年、「禁煙」にしたレストランが多く、食べログの情報更新が追いついてないとも感じる。でも、そこそこ使えるデータベースだ思う。

で、食べログで東京23区のレストラン禁煙状況を調べてみた。

完全禁煙で登録されているレストランが20%を超えているのが、目黒区、渋谷区、世田谷区、豊島区、千代田区中央区の6区。

完全禁煙で登録されているレストランが10%をきっているのが、足立区、江戸川区葛飾区、荒川区の4区。


世界的に、貧困層、低学歴層で喫煙率が高い、と言われているが、23区においても、割とあからさまに貧困やイケてないイメージのある区ほど禁煙のレストラン登録が低い。
とりあえあず、貧困について、参考までに生活保護率を表に追加してみている。

傾向として、いわゆる観光地ほどレストラン情報の登録率は高くなる。

台東区は、山谷のドヤ街があり、生活保護率が高いことで有名だ。ドヤ街に禁煙店があるイメージは浮かばない。しかし、同時に有名観光地も抱えている。浅草は日本を代表する観光地だし、国立博物館や美術館が集中する上野公園も台東区だ。むしろ、これだけ観光地を抱えていてもこんな低い禁煙率にとどまっているところが台東区クオリティだろう。

荒川区が断トツのビリなのは意外だったが、地図で確認して納得した。南千住駅三河島駅を擁している。そして、確かに日暮里駅も荒川区ではあるが「谷根千」などと観光地としてもてはやされている地域は、実はほとんど台東区や文京区だ。

大田区は、蒲田が代表的な繁華街ではあるが、一方で、田園調布などの高級住宅街や東京の玄関口である羽田空港がある。その割に禁煙レストラン率が低い。意外。

一方で、豊島区の健闘がひかる。なんと、千代田区中央区より禁煙率が高い。豊島区といえば、池袋。池袋は戦後の闇市のイメージが強いが、いつのまにかカラーが変わってきているのだろうか。

というか、僅差とはいえ、丸ノ内や銀座のある千代田区中央区が豊島区を下回るとは驚きだ。
もっと意外なのは、文京区の名の通り、大学がひしめいている割に禁煙率が低い文京区だ。文京区が豊島区より下って、どうなのよ。