玉露

とある日本茶専門店で玉露をいただいた。
専門家の淹れる玉露である。

玉露の一煎目は「うまみ」のみを抽出する。そのため、ごく少量の、45度のお湯でじっくり淹れる。

玉露はさましたお湯で淹れるとはよく聞くが、これほど低い温度のお湯で淹れるとは思わなかった。しかも自宅で温度計を淹れようとは思わない。専門店ならではの玉露体験である。

さて玉露の一煎目。それは煎茶はまったく別物の味である。同じチャノキ(茶の木)で栽培された不発酵茶なのにこれだけ違うのが面白い。

煎茶と玉露の違いは何か。

煎茶と玉露は栽培方法が違う。煎茶は日光をあびて育つが、玉露は茶畑に覆いをかけ遮光して栽培する。

一般に煎茶より玉露の方が値段も高く高級とされる。
玉露の値段が高いのは、手間がかかるからという理由だそうだ。

煎茶と玉露のどちらが美味しいかといえば、それは好みだと思う。
私は煎茶の爽やかさが好きだ。

しかし、玉露の魅力はなんといっても余韻だろう。香りがあとあとまで残るのだ。

この玉露体験で理解したのは、玉露は優雅な時間の中で供されなければならないお茶だということだ。日常で惜しげなく飲むお茶ではなく、特別な時に飲むべきお茶だ。

玉露は「コストがかかるから高級茶」というよりむしろ「高級茶であるべきお茶」なのかもしれない。

「しもきた茶苑大山」
http://shimokita-chaen.com/