高橋是清邸と耐震補強

江戸東京たてもの園に、高橋是清邸の主屋と玄関が移築復元されている。
http://www.tatemonoen.jp/area/

移築復元されているのは一部とはいえ、明治時代の、広大で格調高い木造家屋である。
「ここが、あの波瀾万丈にもほどがある人生を送った高橋是清翁の…」という背負った物語性だけでも、十分な価値がある。

それに加え、ここはあの2.26事件(1936年)の現場でもある。

高橋是清邸は間違いなく保存する価値のある建物だと思う。

しかしながら。

ぬお、座敷牢か。いやまさか。動揺が隠せない。

欄間も台無し。


なんだ、この座敷牢風味。

…ああ、耐震補強か。

明治時代の木造家屋。「耐震補強の必要がある」ということも「建物の風情を損なわないよう、現行技術で出来うる最大限の努力をした」ということも理解できる。

でもなぁ。かなり台無し。
座敷牢風味にならずに耐震補強できる技術開発がされるといいのだけれど。

あと、どうせここまでしても地震がきたら瓦は落ちまくるし再建費用はそれなりにかかるはず。

ここはヨーロッパにあらず。基本、日本で建物保存は割に合わない。


高橋是清邸】
竣工:1902年(明治35年