小田急箱根ハイランドホテル

箱根と言えば小田急である。
箱根に行くなら、新宿からロマンスカーで乗り込むのが王道だろう。
鉄道のみならず、新宿から箱根まで高速バスも走らせている。
小田急なくして箱根なし」と言って過言ではなかろう。

もちろん、ホテルも経営している。

というわけで、行ってみた。

小田急箱根ハイランドホテル。
http://www.hakone-highlandhotel.jp/

いや、マジお奨めである。

とにかくフレンチ・ジャポネが美味い。「酒、持ってこい」と言いたくなる系のがっつりフレンチではない。身体に無理なく上品。素材の活かし方が上手い。肉への火入れも絶妙。
ここ、日本最高のレストランの一つじゃなかろうか。

1,500坪の広々した敷地。ホテルの概観と庭園と、ちゃんと調和していて文句なしに美しい。これは日本においては稀な価値だ。

部屋も32㎡以上だし。全館禁煙だし。いやぁ、リゾートである。

ただし、残念だったのはライブラリ。

箱根町誌」と「小田急の社史」くらいは当然あるはず、と期待していたいのに。
しょぼい。しょぼすぎる。普通の小説とかいらんから。「ご自由にお持ちください」ってなんやねん。いや、それはそれでいいけど。
ライブラリ、ものすごく楽しみポイントだっただけに、思わず「何のためにここに泊まったと思っとるねん」とつぶやいてしまった。

お願いだから、「箱根町誌」と「小田急の社史」は、持ち出し禁止(フロントに頼めばコピー可)で常備して欲しい。

★★★

おもしろかったのが廊下にあったハイランドホテルの来歴パネルである。

今のホテルに建て替えたのが1977年。

当時のエントランスやら、客室やら、ラウンジやらの写真がある。

漂うチープ感がなんとも昭和。昭和においては、これで「高級ホテル」だったのだろうか。

ここから改装に改装を重ねて、現在の「イケてるんじゃね?」という佇まいまで、もってきているところがすごい。
もともとの部屋の広さとか、天井の高さとか、「骨格」部分はよかったのだろうか。この辺のリフォームだかリノベーションだかの歴史とか詳細についての資料もあったらみてみたい。「ケンプラッツ」あたりで記事があったりするのだろうか。


また、1977年のホテル建て替え時、「各客室にバスルームを設置し、共同の浴室は廃止。温泉の引き込みは止めた」とある。

80年代後半の温泉ブームで、1989年に温泉浴場を新設して大涌谷の温泉をまた引き込んだそうな。

おもしろい。温泉て、いったん見捨てられた歴史があるのか。

まぁ、例え温泉なしで、ただの大浴場でも、箱根ハイランドホテルは充分、素敵だが。

とりあえず、「箱根ハイランドホテル」の覚書。

・本館の部屋は、断然、庭園側がいい。なので、庭園側をリクエストするといい。雑木林側は暗すぎて、部屋に入った瞬間、テンションが下がる。これ、照明でかなり解決するのになぁ。もったいない。

・ワンランク上という「森のレジデンス」は、部屋自体は素敵そうだが、レストランと大浴場までが遠い。「トータルで考えて、本館の方がよかった」という場合も多々ありそう。

箱根、次は「山のホテル」も行ってみるか。