噴火リスク高すぎの島々は

2015年現在、噴火警戒レベルが設定されている島は6つある。

どの島の火山ももう噴火しまくりという感じなのだが、現在も人が住んでいる。

伊豆大島(東京都) 8213人(2013年現在)
三宅島(東京都) 2714人(2015年現在)
桜島(鹿児島県) 5325人(2010年現在)
薩摩硫黄島(鹿児島県) 117人(2013年現在)
口永良部島(鹿児島県) 137人(2014年現在)
諏訪之瀬島(鹿児島県) 73人(2015年現在)


一般的に「島といえば貧困」というのは戦前までの常識だった。実際、戦前まで酷い貧困に苦しめられていた島が多い。
そもそも、島は殊更に生活コストがかかるのだ。

・飲料水・生活に必要な水の確保が困難

なかなか水を貯めておける地形でなかったり、水の確保に苦労する島は多い。にもかかわらず、現代日本基準の「健康で文化的な生活」にはかなりの水が必要だ。必要なのは飲料水だけではない。洗濯も頻繁にしたいし、風呂も毎日入りたい。勿論、トイレは水洗がいい。
で、それだけの水を確保するのにどれだけの労力とコストがかかっているのか。

・生活必需品を手に入れるにも輸送コストがかかる。

楽天などで買い物をしたら、送料が高い島が多いだろう。そりゃそうだ。輸送にだってコストがかかる
それが離島なら尚更。むしろ東京などの人口集積地と同じ値段で売られていたらおかしい。
輸送コストはどのくらいかかっているのか

・電気、ガスの確保

電気は発電所から遠くなるほどロスが大きくなる。基本「電気は海を超えられない」。その島への電気の供給のためにどれだけのコストがかかっているのか。

・(人口が少ない場合)医療、教育の供給が困難

たかが100人程度の商圏に医者を常駐させてもペイするわけがない。
大体、医者には専門というものがある。また、どんな名医でも「医療機器なければなすすべなし」の場面も多い。100人や1000人程度で医療環境の充実はそもそも不可能だ。

また、教育環境の充実も同様に困難だ。例えば、人口100名の島でサッカーや野球ができる人数の子どもがいるだろうか。物理的に「できない」ことが沢山出てくる。どうしたって離島に住むことは、すなわち子どもの教育機会を制限することになる。

桜島は鹿児島と陸続きなのでちょっと条件が違うが、他の5島はかなり隔絶されている。

「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する(憲法第25条)」。権利を有するのは結構だが、当然、合理性は求められる。

島の生活は国全体の税金で支えられている。
例えば、伊豆大島をみてみよう。一般会計だけみても依存財源が74.5%になっている。
http://www.town.oshima.tokyo.jp/towndata/finance.html

「離島で、現代日本基準を満たす生活をさせよ」と要求するのは、相当な贅沢なのではないか。


加えて噴火リスクである。実際、つい最近も噴火によって全島避難をしている。

伊豆大島(東京都) 1986年 全島避難 (1か月で帰島)
三宅島(東京都) 2000年 全島避難 (2005年 避難指示解除)

全島避難したら、住まいが無くなる。多くの人は職も無くなる。
しかも、いつまで避難が続くかわからないのでは就職も厳しい。いつまで続くか分からない避難生活、しかも失業というのは、随分ときつい。

リスクとコストに見合う居住メリットがある島があるのか。かつての炭鉱のような金脈を持つ離島があるのか。

多くの島は撤収の方向で検討した方がいいのではなかろうか。