映画「北朝鮮 素顔の人々」
「北朝鮮 素顔の人々」は30分足らずの短い映画である。2005年あたりの、隠し撮りした朝鮮の映像だそうだ。
この映画で分かったこと。
・闇市は毎日開催、その取り締まりは恣意的
端的に法治国家ではなく人治国家。日常レベルで「国(行政)」が機能していない。
・恐怖政治
公開処刑は近隣の住民は全員強制でみさせられるそうだ。しかも処刑者の家族を最前列に配置するとか。
なんだ、このトラウマ製造システム。
「権力に逆らったら殺すぞ」というのがあからさま過ぎだろう。
・浮浪児がいる国
町には残飯をあさる子ども達がいる。コッチェビと呼ばれる孤児となった浮浪児だそうだ。
当然学校に通っていない、ということは読み書きできない、計算できない可能性が高い。
この子達、将来、何をして生計を立てるのだろう。一生浮浪者か?基礎的な教育がない=社会的ハンディが大きい場合、犯罪しか生きる選択肢がない可能性がある。肉体労働者として受け皿があればまだいいのだが。
・まとめ
すぐ隣に前近代な国がありますよ、っと。
(2014年11月 渋谷シネマヴェーラで上映)
★★★
韓国はすぐ隣がこんな状態なわけで、緊張感、半端ないだろう。ソウルはめっちゃ北朝鮮に近いし。何しろかの板門店は首都ソウルから80kmしか離れていない。車で1時間ほどで行けてしまうという距離感だ。「北朝鮮てソウルの通勤圏じゃね?」みたいな。
北朝鮮の人口は諸説あるようだが、多分およそ2000万人。
正直、ベルリンの壁崩壊みたいな南北統一を今の韓国がマジで望んでいるとは思えない。
60年以上も特殊な思想教育をされて、近代資本主義社会で生きるにはハンディありすぎな人々を受け入れたいか?
南北統一は韓国が1000万人以上の貧困層を抱えることと同義だ。
「今の北朝鮮ヤバいでしょ」「住んでる人たち(一部のエリート層以外)が痛ましい。胸が痛む」とは思っていても、現政権の崩壊は韓国も中国も日本も全力で阻止したいのではないか。
現政権が崩壊したとして「まともな」政府ができる保障なんてないし。
政治的混乱で難民大量発生なんて中国も日本も結構困る。
どうか北朝鮮が自ら「まともな」国になりますように。というのがアジア共通の願いだろう。
北朝鮮に対し、お祈り以外にできることって何なのだろうかな。