ニッセイ懇話会2014

2014年3月、ニッセイ懇話会に出席した。
懇話会は平日開催な上、周知もひっそりと野に咲く花のような慎ましさである。
しかしやはり出ると勉強になる。せっかくなので印象に残った事項の覚書。

1.保有契約における死亡保障額は前年比1.7%減少。

この死亡保障額の減少傾向は止まらないだろう。少子化だし(子どもがいなければ死亡保障は基本必要ないし)。ていうか今まで死亡保障売り過ぎだったし。
今後の生命保険のメインは死亡保障ではなく年金にシフトしていくのではないか、と私は予測しているがさてどうなるだろう。

2.2013年4月、ニッセイ学資保険販売開始

学資保険は2014年1月時点で販売件数7万件突破。確かにこの商品、シンプルで返戻率も高くて「売れる!」と思う。学資保険は教育費準備のための金融商品として必要性が高い。日本の出生数は大体年間100万人。まだまだ売れる。

3.自己資本の強化

1996年末 1兆円
2007年末 3.3兆円
2012年末 3.1兆円
(準備金の取崩:金融危機6700億円、東日本大震災900億円など)
劣後債の発行:1570億円)
2013年末 3.5兆円
長期目標 4.6兆円


10年で1兆円から3兆円て、えらく急激な強化ぶりだなぁと思う。それだけルールや環境が変化したということだろう。そして長期目標が更に高い。この目標の算出根拠が気になる。
あと、準備金の取崩の具体的な内訳ももっと詳しく知りたいところ。

4.公的制度との連動

新商品の「未来のカタチ」では「公的制度と連動させて分かりやすくした」としているが、審査を公的制度に投げたということにならないか。審査機能が劣化すると商品開発力にもろに影響する。
杞憂ならよいが。

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