戦災復興特別都市
太平洋戦争中(大東亜戦争中)、1942年から1945年にかけて、空襲によって日本の主要都市の多くが壊滅した。
その壊滅ぶりたるや凄まじい。例えば福井市では、市街地の95%が焦土と化した。
よって、日本の多くの都市が1945年に、ほぼ何もない状態から都市計画を描く機会を得ている。
1946年、戦災復興のため特別都市計画法が公布されている。
戦災復興事業の実施については、事業主体は国ではなく、戦災市町村またはその所属する都道府県とされている。
なるほど。
ならば現在の各自治体を歩いてみることで、当時から今にかけての各自治体の力量と成果を比較できることになる。
特別都市計画法の適用都市は次の115市町村である。
北海道:函館市、釧路市、根室市、本別市
青森県:青森市
岩手県:釜石市、宮古市、盛岡市、花巻市
宮城県:仙台市、塩竈市
福島県:郡山市、平市
東京都:都内各区、八王子市
神奈川県:横浜市、川崎市、平塚市、小田原市
千葉県:千葉市、銚子市
埼玉県:熊谷市
茨城県:水戸市、日立市、高萩町、多賀町、豊浦町
栃木県:宇都宮市、鹿沼市
群馬県:前橋市、高崎市、伊勢崎市
新潟県:長岡市
富山県:富山市
福井県:福井市、敦賀市(つるがし)
山梨県:甲府市
静岡県:静岡市、浜松市、清水市、沼津市
愛知県:名古屋市、豊橋市、一ノ宮市、岡崎市
岐阜県:岐阜市、大垣市
三重県:津市、四日市市、桑名市、宇治山田市
和歌山県:和歌山市、海南市、田辺市、新宮市、勝浦市
大阪府:大阪市、堺市、布施市
兵庫県:神戸市、西宮市、姫路市、明石市、尼ヶ崎市、芦屋市、御影町、魚崎町、鳴尾村、本山村、住吉村、本庄村
広島県:広島市、呉市、福山市
岡山県:岡山市
山口県:山口市、宇部市、徳山市、岩国市
鳥取県:境町
香川県:高松市
徳島県:徳島市
愛媛県:松山市、宇和島市、今治市
高知県:高知市
長崎県:長崎市、佐世保市
福岡県:福岡市、門司市、八幡市、大牟田市、久留米市、若松市
熊本県:熊本市、荒尾市、水俣町、宇土町
大分県:大分市
宮崎県:宮崎市、延岡市、都城市、高鍋町、油津町、富島町
鹿児島県:鹿児島市、川内市、串木野市、阿久根市、加治木町、枕崎町、山川町、垂水町、東市来町(ひがしいちきちょう)、西之表町
※群馬県伊勢崎市、和歌山県田辺市、鹿児島県東市来町は事業に着手せず、あるいは中止。
★★★
2市の共通点は、中心部は平坦であることか。坂がない方が都市計画は立てやすそうではある。
おっと、そういえば坂の街であっても神戸の芦屋市や御影町は素晴らしかった。ちょっとハイソすぎな感もあるが。
各地の戦後の都市計画比較研究、これは絶対おもしろい。気の長いマイブームになりそうだ。