和式トイレ、不要!

とある市立図書館のトイレにこんな張り紙があった。

「トイレはきれいに使いましょう!!」

ふむ。トイレがきれいに使われてないらしい。
トイレをのぞくと、なんと和式トイレ。

これはむしろ、トイレをきれいに使うのが難しいのではないか。

2008年現在で、住宅における洋式トイレ保有率は89.6%。関東大都市圏では91.4%。
総務省「平成20年住宅・土地統計調査の解説」http://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2008/nihon/2_5.htm )

和式トイレがない家庭に生まれ育った子どもは、どこで「和式トイレをきれいに使用する方法」を躾けられる機会を持てるのだろう。
また、高齢者は膝の不具合などで和式トイレが使用できない、または使用しにくくなっている場合がある。

21世紀の今日、「(和式)トイレをきれいに使いましょう!!」とはむしろ無理な要求になっているのではないか。

大体、洋式トイレに比べ、和式トイレの方が優れている点が何かあるのだろうか。私は思いつかない。

もう、図書館、公民館、学校、駅、コンサートホール等の公共施設では「和式トイレは全廃を目指す」と目標を掲げてもいいくらいだと思う。

というわけで、私としてはこのように要求したい。

「すべての和式トイレを洋式トイレに!!」

例えば「市内のすべての和式トイレについて洋式トイレへの転換を目指します」なんて選挙公約もなかなかいけてると思う。


そして近い将来、こんなニュースが実現すればいい。

和式便器の生産終了 318年の歴史に幕

便器生産国内1位の株式会社東京トイレット(TOTO)は14日、年内で和式便器の生産を終了すると発表した。日々進化する洋式便器に押されるかたちで、近年和式便器の需要は大きく落ち込んでいることから撤退を決断。TOTOの撤退で、和式便器を生産するメーカーがなくなることから、国産和式便器はその318年に及ぶ歴史に幕を閉じる。

 TOTOが14日、マスコミ各社に送ったプレスリリースで明らかにした。和式便器は同社が元禄年間に創業して以来、長らく主力製品として販売を続けていたが、昨今では新規着工の物件のほとんどが洋式便器を採用しており、年々需要が落ち込んでいた。特に昨年度は生産150万台に対し、販売実績は3台と低迷。長期にわたる減産効果も出なかったため、年内をもって完全に撤退することを決めた。

(2012年3月15日「虚構新聞http://kyoko-np.net/2012031501.html

「便器150万台の在庫」とは、なんとも壮大。


しかし、事実は虚構新聞より奇なり。
虚構新聞より嘘みたいなFinancial Timesの記事。

2012年6月1日「Nomura: toilet-humour」
http://ftalphaville.ft.com/blog/2012/06/01/1026961/nomura-toilet-humour/

野村證券の株主提案。

第12号議案 定款一部変更の件(日常の基本動作の見直しについて)

提案の内容:貴社のオフィス内の便器はすべて和式とし、足腰を鍛練し、株価四桁を目指して日々ふんばる旨定款に明記するものとする。

提案の理由:貴社はいままさに破綻寸前である。別の表現をすれば今が「ふんばりどき」である。営業マンに大きな声を出させるような精神論では破綻は免れないが、和式便器に毎日またがり、下半身のねばりを強化すれば、かならず破綻は回避できる。できなかったら運が悪かったと諦めるしかない。

○取締役会の意見:本議案に反対いたします。
http://www.nomuraholdings.com/jp/investor/shm/2012/data/report108.pdf

和式トイレはもはやジョークの小道具でしかないようだ。

<更新>
2012年7月1日 野村證券の株主提案追加