中小企業動向調査のナゾ

鹿児島相互信用金庫が四半期毎の中小企業動向調査なるものを行なっている。

https://www.kasosin.com/info/report/index.htm


2018年1〜3月期をみると、調査依頼先数407件、回答数406件。
400件超とは結構な調査規模だ。回答率の高さもすごい。

https://www.kasosin.com/info/report/2018n44_2.pdf

しかし。

調査内容:売上、収益、価格、設備、借入等について実数ではなく、経営者の感覚や判断を聴取
(出典:中小企業動向調査概要)

え。例えば売上って日締め、週締め、月締めで把握できてるのが一般的なのでは?
借入も「先月時点の借入額」、「今月時点の借入額」は明確に把握できているはず。

それを「感覚」で回答するって、全然商売を把握できてないってことでは?

信金としては、実数でご回答いただけるようなサポートをした方がよいのでは?
融資先がつぶれないためにも。将来の融資が円滑に実施できる環境整備のためにも。

それにしても答えにくいアンケートだ。
答えにくい点を挙げてみる。

1.1−3月期について、3月上旬に調査

4月上旬に調査してくれれば実数を答えられるのに。なんでわざわざ見込みで答えなければならんねん。

2.前期比より前年同期比の方が意味あるのでは?

大抵の商売では「季節による売り上げ変動」や「イベントによるかき入れ時」がある。前期比ではあまり意味がない気がする。
前年同月比の方が意味があるような。

…このアンケート、答える方もバカバカしさにげんなりしないのだろうか。

私が経営者なら、担当の営業職員に「そっちで適当に書いて出しとき」と言ってしまうだろう。
経営者の指示がなくても、不祥事件多発のこの金融機関で、本当に経営者が回答したアンケートが回収されている確率は低いと推測する。

この調査、一体何のためにやっているのか。

大体において「感覚で」答える調査に意味があるのか、といったら私はないと思う。

こういう意味のない「お仕事」に時間とお金をかける余裕のある金融機関があるとは、まだまだ地方にはゆとりがあるらしい。