映画館の上映技術体験あれこれ

2016年の個人的最大ヒット映画は、間違いなく『シン・ゴジラ』だ。まさかこんなリピートするとは思わなかった。

とにかく情報量が多くて1度ではとても把握しきれない。初見時、上演開始20分で「これはもう一度観る」と心に決めた。開始20分にして再見を決定した映画は他にない。

で。『シン・ゴジラ』自体もおもしろかったが、色んな劇場で見比べてみて、映画館によって様々な新技術や工夫の体験がまたおもしろかった。

IMAX(TOHOシネマズ新宿)
http://www.tohotheater.jp/service/imax/
追加料金500円。通常料金(1,800円)との合計2,300円。

昔、新宿高島屋にあった映画館、テアトルタイムズスクエア(2009年閉館)は、スクリーンがバカでかかった。上映作品は魅力的なのだが、スクリーンが大きすぎて観ていて疲れた。この記憶から、「スクリーンは大きければいいってもんじゃない」と思っていた。

IMAXもスクリーンは大きい。普通のスクリーンより迫力と臨場感がある。でもストレスはない。映像がハイクオリティなことは理解できるけど、多分、それだけじゃない。これは明らかな技術の進歩だ。音響も素晴らしい。
500円の料金追加は全然高くない。どうせ観るならIMAXがいい。

◆MX4D(TOHOシネマズ新宿、六本木 他)
追加料金1,200円。通常料金(1,800円)との合計3,000円。
http://www.tohotheater.jp/service/mx4d/
シン・ゴジラ』に関しては、このMX4Dは非常に残念な出来だった。映画自体がもともと4Dを想定してつくられていない。まず3D対応なし。「とりあえず、4Dで出来る機能を適当に当てはめてつくりました」というやっつけ仕事ぶり。
水しぶき噴射も「そこじゃないだろ」という場面だったし、臭い噴射も「くさっ」、「うーん、この臭いサービス、別に嬉しくない」という。
一番違和感があったのは、ゴジラが攻撃されているシーンで、自分の背中に衝撃を与えられたことだ。確かに画面でゴジラが攻撃されているが、観客は明らかに攻撃側の視点で映画を観ている。そこで、観客がゴジラ同様に背中に衝撃を受ける演出って。「え、自分、ゴジラ側だったの?」と戸惑わざるをえない。

これで合計3,000円は高い。というか、こんな安い仕事をしないで欲しい。

最初から4D技術を念頭につくった映画とか、
4Dの技術を効果的に、また的確につかった映画ならまた違うだろう。
「4Dで評価が高い映画」というのが上映されるなら、行ってみたい。

◆KICリアルサウンドシステム(立川シネマシティ)
追加料金なし。通常料金1,800円。

「極音爆音上映」。
臨場感がすごい。音で振動を感じる迫力上映。座席も快適。立川シネマシティ、最高。ここ、相当に映画好きが運営してるな、と思う映画館だ。難点はちょっと遠いこと。立川市民だったら入り浸るのに。