糸魚川大火の復興計画

糸魚川大火の復興計画が2017年8月に策定された。
http://www.city.itoigawa.lg.jp/item/20859.htm

糸魚川大火、酒田の大火以来、40年ぶりの大火である。その復興計画はいかなものか、非常に興味深い。

まず、糸魚川大火の概要である。

【発生日時】2016年12月22日
【焼損棟数】147棟(全焼 120棟 半焼 5棟 部分焼 22棟)
【被災者状況】145世帯260人 55事業所

大火の規模としてはそれほど大きくないとはいえ、今後の焼失地域のデザインが必要だ。

復興のイメージ図をみる。

「加賀の井酒造(酒蔵)」と「鶴来家(割烹)」は再建する。

鶴来家は9月時点でまだ跡地の状態だったが。

加賀の井酒造は、8月末に再建工事がはじまっていた。

復興計画で「えっ」と思ったのは、海に近い地域を居住地としているところだ。
糸魚川、一応、津波リスクがあるのでは。
あと、海に近いと、潮風(塩害)で住宅の劣化も速いしメンテナンス費も嵩む。

居住地域は、駅の南側が望ましいのではないか。駅の南側も、充分、土地が空いている。
被災者は145世帯260人なので、糸魚川市全体からみればそれほど多くはない。
住宅については、駅の南側への移転を推奨すればいいのに。
共同住宅公営住宅)もこんな海の近くにつくるのは、リスク的にもコスト的にもやめた方がいいだろうに。

そもそも被災地域(大町1丁目、2丁目、本町)の住人は、312人中、65歳以上の高齢者が153人。高齢者が49%を占める半端ない高齢地域だ。
しかも、被災地区内の人口減少も激しい。2005年から2015年の10年で18%も人口が減少している。

この復興イメージ図、絵に描いた餅になる可能性が高い。

本町通りより海側は、企業か商業施設の出店希望がなければ、当面、公園などの緑地にするとかの方が長期的にはいいような気がする。

数年後、どうなっているだろうか。


【参考】
糸魚川市被災者説明会資料一覧
http://www.city.itoigawa.lg.jp/6801.htm

平成29 年2月19 日(日)「糸魚川市駅北大火被災者説明会 」
http://www.city.itoigawa.lg.jp/secure/20223/setumeikai3.pdf