改元の銀行システムトラブル
2019年5月1日、ついに改元である。
昭和の終わりには改元にあたって「(システム対応が大変なので)これを機に西暦に」という話をそれなりに聞いた気がするのだが、なんだか今回は、「これを機に西暦に」という話をあまり聞かなかった。
省庁や自治体がつくっている統計資料や行政資料、和暦の分かりにくさにイラっとしているのは私だけではないだろうに、本当に残念である。
私は別に元号の存在自体を否定しているわけではない。
元号は、「時代の風情」があって素敵だと思う。
仮に「日本国内では、すべての事務所で元号が表示された壁掛けカレンダーを掲げること(西暦の併記は認めるものとする)」「日本国内で販売するカレンダーは原則として和暦を表記すること」とかいう通達があったとしても、私としては、全く異議はない。
でも、和暦は統計資料や行政、ビジネスには向かない。
ついでに、余計なシステム負荷を発生させる。
少なくともビジネスシーンでは西暦を使うべきだろう。
今回、改元を機に西暦に切り替えた企業はあるだろうか。
さて。今回の改元でシステムトラブルが起こったりするかな、とちょっと注目していた。
例え現場が修羅場になろうが、大抵のトラブルは社内(または省内)にとどまり、表沙汰にはならないだろうが。
そんな中、ニュースになったシステムトラブルはこれだった。
・2019年4月29日「コンビニATM 改元に伴う誤表記トラブル」NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190429/k10011900621000.html
一部銀行で、「振込手続きをしたら振込予定日が1989年(平成元年)で表示される」事象発生。
表記がタイムワープしてしまっただけで、振込自体に問題はない。
ただ、ちょっと変わったシステム設計がされてるな気がして気になる。
このトラブルが発生したのは、報道によれば地銀3行だ。
北陸銀行、北海道銀行、横浜銀行
ん?これは「MEJAR(メジャー)」を共同運営している地銀。
・2018年12月26日「デジタル推進に向けたMEJAR各行との連携について」NTTデータ
https://www.nttdata.com/jp/ja/news/services_info/2018/122601/
「MEJAR(メジャー)」というシステムはちょっと面白い構成になってる部分がありそうだ。
なぜこの事象が起きたのか、NTTデータは当然分かりやすい解説資料をつくったはず。
資料、公開されないだろうか。